未経験でもプログラマーへ就職・転職は可能!キャリアの考え方が重要
SIer企業のSEとしてのキャリア形成について
近年、IT業界の人材が不足しているニュースが盛んに報じられ、義務教育にもプログラミングを取り入れることが決定した。
巷ではプログラミングができれば稼げる。などの文言の書籍が立ち並び、まさにプログラマーになれば将来のキャリアに困らない。と言わんばかりのブームとなっている。
では、実際に文系未経験者がプログラマー(SIer企業)に転職した際、どのような環境下に置かれキャリアを歩むのか。
私の実体験を踏まえ、紹介していく。
目次
未経験でプログラマーになれるか
まず、転職の際、未経験でプログラマーになれるかどうかについてだが、企業を選ばなければ、プログラマーとして転職することは可能。
ただし、未経験者が採用してもらえる企業は前職が大手企業であるなど関係なく、低層階の委託企業(SIer,SES)が多くを占めます。
IT業界の「業務委託構造」について
IT業界は、建設業界と同じく多階層の業務委託構造となっている。
SIerやSESと呼ばれる企業は、主に社員を他上位階層企業が仲介する案件に参画させ、上位層が多くの利益を得ていく仕組み。
- 直請け
- 一次請け
- 二次請け
- 三次請け
このように下層になるほどに利益が目減りしていく構造となります。
未経験で参入しやすいSIer企業は低層階の委託企業となるので、大きく稼ぐのは構造的に難しいです。
この前提はしっかり認識しておきましょう!
SIer企業について
SIer企業では三ヶ月〜半年の外部研修を受けて資格を取得し、その経験をもとに各プロジェクトに参画の面談を行っていきます。
SIer企業で働いて良かったこと
働いていく中で、良かった点は、未経験でありながらプログラマーとしてのキャリアをスタートできたこと。
様々な案件を経験できるため、多種多様な企業のシステムを俯瞰でみることができます。
会社に属してはいますが、働き方は「常駐型のフリーランスエンジニア」と変わらないため、エンジニアとしての経験値を蓄えやすいという点において、SIer企業のメリットと言えます。
SIer企業で働くデメリット
一方で、会社に属しているという意識が薄くなるデメリットもあります。
実際、案件の現場と家の往復のみで、帰社日が月1度あるかどうかという企業がほとんどです。
また、本人の技量や努力量にもよりますが、様々な案件を2〜3ヶ月で点々とするようなキャリアを歩んでしまうと、案件で得られる経験がほとんど無く、その後のエンジニアとしての転職に不利になる可能性がある点に注意すべきです。
案件を自分で選べる企業への就職がおすすめ
最後に、これからIT企業に就職する方や転職する方に伝えたい「ITキャリア」についての重要な考え方をお伝えします。
それは、案件を自分で選べる企業の方がキャリア形成において有利、ということです。
例えば、上司の指示で案件を固定されると古い技術を扱う金融系などのプログラマーになると、技術的に他の企業で経験として価値がない経歴のみになってしまいます。
一方、PythonやRuby、Javaなどモダンかつ汎用性のある言語を扱える案件に積極的に参画できるような体制が整っている企業であれば転職や独立など自分のキャリアを主体的に構築し続けることができます。
これらのモダンな技術はフリーランスプログラマーに転職した際にも武器になります。
未経験でプログラマーとして転職した企業では、まず自分のプログラマーとしてのキャリアを考え、勤め上げるかキャリアアップを目指すかなどを見定める機会をしっかりもつ必要があると思います。
IT(SE・SES)のキャリアアップって何?
ここで、「キャリアアップ」、あるいは「キャリアプラン」というものについて、その本質をキャリアコーディネーター藤井佐和子さんの著書を引用し、検討してみましょう。
実は、「キャリア」という言葉が氾濫してきたのは、ここ10年くらいのこと。日本が豊かになり、仕事を贅沢に選べるようになったからこそ、意識されはじめた言葉。今の世の中はキャリアプランについての情報が山のように溢れ、何が正しいのか、わからなくなってきているのかもしれません。(中略)まずは漠然とでも良い、ライフプランをどうしたいのか、どういう人間になりたいのか、そこから考えていかないといわゆる無駄なキャリアを積むことになります。(中略)今は不景気とはいえ、親の時代に比べると実はますます職種が選べる時代。そして、不景気だからこそ、レールにしがみつかず、自分にふさわしい方法でキャリアを積んでいかないと、たまたま自分に合ったレールを見つけてうまく進んでいる人に負けてしまうことになります。
引用元:藤井 佐和子「転職-思ったときに読む本」
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