SEがフリーになって後悔していること。転職体験談
SEがフリーランスになるリスクとは?
読者様から寄せられたIT(SE・SES)の体験談記事を掲載しています。
フリーランスとして引き抜かれ、知人の会社に勤めている私が経験した、良い事悪い事を書いてみたいと思います。
フリーランスで働く上で知っておくべき「リスク」についても言及しました。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
引き抜きは突然に
もともと製造・ITの業種で正社員として働いていた私でしたが、業務委託契約にキリがつく直前のタイミングで、知人が取締役をしている企業に誘われました。
いわゆる「引き抜き(軽いノリの)」でした。
ただし、契約時に
「経理的な問題があり、株主の目もあり正社員雇用が6ヶ月近く出来ない。フリーランスとして契約させてくれ」
と社長から説明を受け、「えぇっ、この歳(40歳)でフリーになるのか…」と、かなり戸惑いました。
とはいえ、待遇面など他の条件に納得できた事もあり、結局は現在の仕事を退社し、6ヶ月フリーランスとして業務提携で従事する事になりました。
決め手は「6ヶ月後には正社員登用します」
と言われた事で、それなら安心かな…と了承して契約した次第です。
が、しかし…。
この契約が後にトラブルの元となるとは、この段階では想像できていませんでした。
転職後のこと
業務を開始して3ヶ月経過した頃、当時の経営陣は窮地に陥りました。
契約上詳細は語れませんが、一言で言うと主要な取引先にて『クーデター』が起きました。マジです。
これにより弊社や私個人に襲いかかった損害は多々あるのですが、それは本題と外れるためここでは省きます。
とにかく、会社の経営状態は傾き、社内の雰囲気は最悪になりました。
その後、自分を採用した社長は退任し、最悪の状況から一応収束に向かい始めました…。
入社から6ヶ月経った
波乱のクーデター事件から3ヶ月、つまり入社から6ヶ月が経った頃。
いよいよ自分が正社員になる日が近づいてきました。
そんな業務委託契約が終了する間際、見慣れない新しい経理の方が現れて、このように言われました。
「先月と同様、業務委託料の請求をお願いします」
この一言のみ。
納得ができなかった私は、
と、就任したばかりの新社長に訴えました。
新社長は
「現在の業務委託契約で続けてほしい」
の一点張り。
なんでこんなに強気なんだろう、契約違反じゃないか…と、悩みましたが、契約書を読み返して青ざめました。
業務委託契約書の中に、次の一文が記されていたのです。
【自動更新契約】
本契約期間満了時において、契約を継続しない場合は、相手方に対し、本契約期間満了の1ヶ月前までに通達するものとする。
本通達がなされない場合は、本契約は、さらに同一の条件で半年間更新されるものとし、その後も同様とする。
な、なにーっ!
…とはいえ、前任の社長であれば口約束とはいえ覚えてくれていたと思うのですが、この新社長は契約書しか読んでいないのですから、契約書通り更新を打診したまでだったのです。
結局、会社と揉めていては開発業務に遅れが出る不安もあり、新社長の提案に口頭で了承することとなりました。
結局その後、8ヶ月以上同一条件で働きました。
それだけならまだマシですが、さらに業務範囲を大幅に増やされてしまいました。
一方的に作業量が増やす事は「下請法」や「独占禁止法」に抵触する項目なのですが…
それを堂々と主張できるメンタルは、私にはありません泣
※具体的な業務内容については本題と外れるためここでは省きます。
フリーランス契約について思うこと
コンパクトな企業では、固定費を削減するため、私のケースと同じようにフリーランスとの「業務委託契約」でコスト削減し、乗り切ろうとする事が多々あります。
フリーランス自体はメリット・デメリット双方あるので合意の上選択をするのは問題無いと思いますし、そういった「個」に仕事が分散するの流れは社会的なムーブメントなので仕方ないと思います。
但し、フリーランス契約には見落としがちなリスクがあるとここでは警鐘を鳴らしたいです。
契約書にはトラブルを未然に防ぐために、テンプレ的な「お約束」が書いてあります。
これを軽視していると、経営者が変わった時に、その効力を以って契約者側が不利益を被ることがあります。
「この人なら信頼が置ける。向こうも信頼してくれている」
と言う関係が築けても、その相手が人員配置でいなくなったり退社したら…
それて突然「契約終了」ということもあるのです。
IT業界は20年以上経過しても未だに未成熟な業界。
これからもうねるように働き方や契約の形態は変わってくると思います。
だからこそ、契約書は熟読し、口約束より書面ベースで契約する、そして「人員変動」リスクと備えること、これらが大切です。
皆様におかれましては、良い企業やパートナーと巡り合うことをお祈りしております。
本記事がフリーランスとしてIT企業で働かれている方や、転・契約を検討している方の参考になりましたら幸いです。
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