本当に役立つPhotoshopの写真修正テクニック9選。

現役webディレクターN.hiroshiです。

photoshop歴はかれこれ10年以上になります。

基本的な機能や有料・無料のプラグインを色々試してきましたが、本当に現場で役立った、役立ち続けているテクニックは「無料」で、しかも「シンプル」でした。

現場では速さが求められる上に、汎用性の高いテクニックの方が対応力があって便利だからです。

この記事では、明日からすぐに実践できるような特にシンプルで効果が大きいものを9個厳選してみました。

ぜひご覧ください!

 

目次

逆光を補正する

逆光を補正したい時は、

  1. 暗すぎる所を明るくする
  2. 明るすぎる所を暗くする

上記のいずれかの方法で「画面全体の明るさを均一化する」事が重要です。

レタッチ実例

以下の画像を参考に補正作業を進めていきましょう。

Photoshopのレイヤー機能を使って写真を複製し、逆光部分が明るくなるように修正します。

その後、明るくしたレイヤーの逆光部分だけを切り抜きます。

はじめに「切り抜きツール」でざっくりと切り取った後、境界線は消しゴムでぼやかして消すと良いです。

最後に、補正後のレイヤーの透明度を変更し、違和感が無いレベルで調整してください。

補正の前後比較は以下画像をご参照ください。

慣れれば1分くらいで作業完了できます。

※完全にフラットで自然な状態を目指すのであれば、さらに濃淡別にレイヤーを増やして補正する必要がありますが、それなりに高度なテクニックを要します。

一部分ブラーを適用して躍動感を出す

「逆光を補正する」テクニックと似た要領で「一部分にブラーを適用して躍動感を出す」ことができます。
以下の写真に動きを出してみましょう。

マウスを持っている手が横方向にブレている様子を表現しましょう。

オリジナルを複製し、複製したレイヤー全体にブラーをかけてみます。

次に、ブラーを適用したい部分だけを残して、他を削除します。

オリジナルと合成して終了です。

ブラーの角度や、ブラーの強さ、ブラーを残す量をコントロールすることで、自在に躍動感を表現することができます。

汎用性が高い

今回はピンポイントで写真の一部分に「ブラーを適用する」方法としてご紹介しましたが、同じ要領で以下のようなピンポイント補正も可能です。

  • 一部分の彩度を高める
  • 一部分だけ色を残す
  • 一部分だけシャープにする
  • 一部分だけモザイクをかける

このように、非常に汎用性の高いテクニックなので、基本テクニックとして習得しておきましょう。

左右を伸ばす

「左右を伸ばす」と言ってもよくわからないですよね。

これは、ホームページに写真を掲載する際に「横長の写真がほしいけど左右が足りない」時に活躍するテクニックです。

以下のような補正内容となります。

では、さっそく手順を解説します。

補正手順解説

まずは、写真の左右を少しだけ縦に選択し、選択した部分を別のレイヤーに同じ位置でコピーします。

「選択範囲をコピーしたレイヤー」機能を使うと簡単です。

その後、コピーした部分を右、左それぞれ「自由変形ツール」で横に伸ばします。

この時、背景にパターンがあったり、影がついている場合は同時に引き伸ばされてしまうため、違和感が出る場合があります。

これは可能な限りブラシツールや写真の似たような部分を切り貼りするなどして違和感を消しましょう。

今回の例では、左に引き伸ばした際に「影」も伸びたので、それを補正しました。

※「ブラシツール」で背景色と同じ色で塗りつぶすように影を消しました。

慣れればあっという間に作業完了できます。

背景が複雑すぎたり、メインの被写体が左右で切れている場合は非常に対応が難しくなる場合がありますが、いろいろと応用が効く便利なテクニックです。

ぜひ習得してみてください。

複数箇所を一度に編集する

一つのキャンバス上にたくさんの同じ要素がある場合に活躍するテクニックです。

まずは、同時に編集したい要素を「スマートオブジェクト」に変えておきましょう。

要素が入ったレイヤーの上で右クリックすると「スマートオブジェクトに変換」という選択肢が出るはずです。(ショートカットを設定しておくと便利です)

今回は車のイラストを「スマートオブジェクト」に変えてみました。

その要素をたくさん複製します。

「スマートオブジェクト」になったレイヤーの上で右クリックし、「コンテンツを編集」をクリックします。

すると、要素を編集できますので、今回は車を赤色に変えてみました。

「保存」してタブを閉じます。

これだけで全ての要素が編集できました。

「スマートオブジェクト」は自由変形しても劣化されなくなるなど(元より拡大すると荒れる場合がある)Photoshopを扱う上では切っても切れない重要な機能。

絶対にマスターしておきましょう。

解像感を高める・調整する

先程の続きではありませんが、今回も「スマートオブジェクト」を使用して補正作業を行ってみます。

Photoshopの数あるフィルターの中でも非常に重要とされる「シャープ」フィルタ。

一発適用するだけで画像の境界線が際立つような処理がかかり、「解像感」が高まった画像が得られます。

これが..

1発でこうなります。

3発でこんな感じ。

しかし、1発の影響力が大きいため、その影響力を抑えたい場合があります。

影響が強すぎる場合はこのように「ヒビ」が入ったような画像になってしまうからです。

1発の影響力が「1」とすれば、それを「0.5」くらいに抑えたい場合があるでしょう。

そこで活躍するのが「スマートオブジェクト」です。

先程3発の「シャープ」を適用したパソコンの画像は「スマートオブジェクト」だったため、レイヤーにはこのように適用したフィルターが表示されています。

目のアイコンをクリックし「フィルター」をオフにして、前後を簡単に比較できるので便利です。

さらに、「フィルターの影響力」もコントロール可能です。

まずは「スマートフィルター」と書かれた部分の白い□をクリックします。

その後、「バケツツール」で灰色で塗りつぶします。(普通にキャンバスを塗りつぶす要領でOKです)

灰色になりましたね?

白が影響力「1」、「黒」が影響力「0」

なので、この中間色の濃淡で影響力を自在にコントロールできるわけです。

補足

今回は「シャープ」の影響力をコントロールする方法をご紹介しましたが、他のフィルターの影響力も同じようにコントロール可能です。

ぜひいろいろと実験してみてください。

キャンバスの中央を調べる

キャンバスの中央に要素を配置したい時役立つテクニックです。

方法はいくつかありますが、グリッドをキャンバス中央に出す設定にしておけば便利です。

環境設定→ガイド・グリッド・スライス→グリッド

を以下の設定に変更してください。

これで「グリッド」を表示すれば中央がすぐにわかるようになったので、この上下線の接点に「自由変形」ツールをオンにした要素を配置してあげればOKです。

↑「自由変形」ツールで表示された中央点をキャンバス中央の接点に合わせます。

補足

文字を「自由変形」で中央に合わせようとすると、しばしば↓画像のような現象が発生します。

理由は明快で、。や「」などの記号が結構大きな「余白」を持っていることが原因です。

余白も含めて一文字になっているので、中央に合わせてもしっくりこないのです。

これは、文字レイヤーを複製し、複製したレイヤーと元レイヤーを同時に選択した状態で「自由変形」することで解決します。

複数レイヤーを掴んだ「自由変形」は、文字レイヤーであってもピクセルベースで境界線の判定が行われる仕様なのでしょう。

頻繁に使うテクニックです。

ぜひ試してみて下さい。

ブラーを使って被写界深度を演出する

「被写界深度」とは、ピントを合わせた部分の前後のピントが合っているように見える範囲のことです。

ピントが合っていない部分はぼやけます。

↑花の背景がぼやけています

一眼レフで撮影したようなこの写真を、補正技術により再現できます。

まずはピントが全てあった写真を用意。

その後、ピントを合わせたい部分を取り出します。

元画像の上に、コピーするような形で配置します。

後はピントを合わせない背景に対して

フィルター→ぼかし→ぼかし(レンズ)

などを適用します。

仕上げとして、背景の明度・コントラストを調整することで、手前のピントが合っている部分が際立つのでおすすめです。

小さく使うならこれで十分。

写真に合わせて微調整してみてください。

「裏」境界線を使う

「レイヤースタイル」の中でも「境界線」は非常に使用頻度の高いスタイルです。

基本的にはフチをつけるのに使用しますが、フォントをデザインチックにしたり、内側方向にに要素を消すなど、「裏」向きの使い方が出来るんです。

例えば、以下のような普通のテキストに「境界線」を使ってみたいと思います。

パラメーターが重要で、「内側」「透明度0%」に設定し、「サイズ」は適用結果を見ながら適宜調整します。

すると…

このような、細く丸みを帯びたフォントになりました。

この使い方を知っておくと、いざという時に面白い使い方ができます。

例えば、スキャンした画像に小さな1pxほどの粒(ノイズ)がたくさんついてしまった時に、白色の部分を削除してから境界線で内側に0%、1pxを設定すれば粒を消すことができたりします。

ちょっとしたデザインにも利用できますね。

ちなみに、内側0%境界線による「丸み」は要素の大きさによって変わりますのでいろいろなサイズでフィルタの変化を試してみると面白いと思います。

GoogleIMEを使う

最後は小ネタに近いですが、テクニックの一つということで役立つのでご紹介します。

ズバリ、「GoogleIME」を使うということです。

mac(IOS)では未検証ですが、windowsの標準IMEである「Microsoft IME」はPhotoshopと相性が悪いです。

日本語入力が有効な状態でPhotoshop上でショートカットを使おうとすると以下画像のような表示が出て、文字入力モードになってしまいます。

これ、イラってしませんか?

あわてて「半角/全角」を押して英字モードにしても、この表示は消えません。

入力された文字を消してから、改めて「半角/全角」を押して英字モードにする必要があります。

これが、Photoshop上で日本語を入力したりする場合に特に頻発するので面倒くさいんですよね。

そこで「GoogleIME」です。

「Microsoft IME」と同様に日本語入力しようとすると以下の表示モードが出てしまうまでは同じなんですが..

この状態で「半角/全角」を押すと、この間違えて入力した文字は「自動で消える」のです!

文字を消さなくて済む..これだけのことですが、手の移動負担および精神的ダメージが飛躍的に減るので、これを発見して以来「GoogleIME」は絶対に手放せないツールになりました。

ぜひ使ってみてください。